リンパマッサージ(ケア)とリンパドレナージ(ドレナージュ)の違い

私がリンパマッサージに携わるようになって10年以上経ちましたが、今やリンパってだいぶ認知されましたね。
リンパサロンもだいぶ増えました。


“リンパ”が認知されて、リンパ施術の良さが広まり、サロンに通ったりリンパマッサージを受ける人も増えましたが、よく聞く質問の1つに“リンパマッサージ”と“リンパドレナージュ”の違いについてです。


これは基礎講座内でも必須の議題になります。


まず、前提として、一般的なサロンなどで行われているリンパ施術は民間徒手技法であるということ。つまり民間療法になります。それに対して、治療に関連するものがあります。


浮腫とは


浮腫と言う字は難しいですよね。浮腫=ふしゅ、むくみと読みます。
私達の日常生活の中で、むくみは切っても切り離せない症状かもしれません。
とはいえ、“むくみ”と聞いて病気の印象はないかと思います。
しかし、“リンパ浮腫(ふしゅ)”は病気の一種になります。

 

リンパ浮腫とは



私達の体内には、血管(動脈管、静脈管)やリンパ管などが存在します。
血管の中に血液が流れるように、リンパ管内にはリンパ液が流れています。


リンパの特徴は、余分な水分やタンパク質などを吸収し、リンパ液の流れが滞ると体がむくみやすくなります。
特に手足などがむくみやすくなります。


通常の生活の中でもむくみは起こるのですが、乳がんや子宮がん、卵巣がんといった女性特有の疾患による手術後に発症する浮腫をリンパ浮腫と言います。


通常のむくみとリンパ浮腫の大きな違いは、左右差です。
わたしたちが日常感じうるむくみはだいたい左右対称だと思うのですが、リンパ浮腫は片方だけというケースが多いのです。


そして、例えば夕方むくんでも次の日の朝にはリセットされますが、リンパ浮腫の場合は徐々に積み重なりリセットすることなく重症化へと進んでいきます。
がんの手術後に起こるケースが多いとはいえ、未だにその発症原因がはっきりせず不明な部分が多いです。


一般的には「リンパ節を取り除いたことで」リンパ液の流れに滞りが起こり、リンパ浮腫を引き起こすと言われています。


リンパ浮腫の治療は


リンパ浮腫は一度発症してしまうと完治が難しいと言われています。
症状が軽い場合は、ケアや自己管理を行いながら日常の生活を通常通り行うことも可能です。


しかし、重症化すると、生活に影響があり、また合併症などを引き起こすケースがあります。


そのため、早期発見早期治療が望ましいです。
専門の科がないわけではないですが、非常に少ないです。
ですが、医療機関で治療の必要があります。


リンパ浮腫の治療にはリンパドレナージ圧迫療法、弾性ストッキングなどによる圧迫療法などです。
浮腫の程度に応じて異なりますが、圧迫した状態で軽い運動を行ったりする運動療法も取り入れたりします。


リンパドレナージュとリンパマッサージの違いとは

どちらも、リンパの流れに沿って、リンパ液の流れの促進を助けるものではありますが、リンパドレナージ(リンパドレナージュ)は、医療系の治療手法になります。
そして、リンパマッサージ(リンパケア)は、民間療法としての手法です。


治療と民間療法の違いですので、目的も手法も異なります。


一般的なサロンで行われているリンパ施術は後者の民間療法なのです。
ですので、リンパケアは効果が高いとはいえ、医療の分野ではないため、治療ではありません。

 

 

  
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